【第一章】五行を疑え

【第一章】五行を疑え
「陰陽五行」や「四柱推命」という言葉を、私たちは日常のどこかで必ず耳にしている。それは東洋の占い、漢方、風水、あるいは年中行事の背景にある「古来より伝わる大自然の法則」として、私たちの常識に深く溶け込んでいる。
だが、書店に並ぶ解説書を開き、あるいは先達から学び、私たちが「絶対の真理」として信じ込んでいる現在の五行説は、実は大自然が描いたオリジナルの設計図ではない。それは歴史のある決定的な地点で、時の為政者や思想家たちの手によって人為的に歪められ、固定された「加工された形」なのだ。
本書の第一章では、私たちが日頃抱く「占術への違和感」を確信へと変えるため、二千年もの間、誰も疑わなかった五行の「人為的改ざん」の歴史を紐解いていく。偽りの塗装を剥がした先に現れる、原初の姿へと迫る旅を始めよう。
【第一章】五行を疑え

第一章⑵五常(五徳)──儒教が五行を上書きした理由

四柱推命のベースとなる「五常(仁義礼智信)」の歴史的真実を解説。実は孟子が唱えた本来の核は「四常(四端)」であり、信はありませんでした。秦の弾圧(焚書坑儒)を生き抜くため、儒家たちが五行思想に便乗せざるを得なかった切実な背景に迫ります。
【第一章】五行を疑え

第一章⑴四柱推命を思想で占っていいのか

四柱推命の五行と儒教の五常(仁・義・礼・智・信)の結びつきを徹底解説。「木=優しい」「金=正義感」という解釈は、後世に上書きされた道徳観です。占いを単なる道徳論で終わらせず、五行本来の純粋なエネルギーとして捉え直す本質的な視点を紹介します。