琉球四柱推命|蔵干を疑った先駆者・安田流|消えた陰陽五行【第五章】幻の陰陽五行⑻

消えた陰陽五行【第五章】幻の陰陽五行

前回(第五章⑺)では、蔵干は「四柱推命(宇宙)の真理」ではなく、
四柱推命が地支の内訳を読むために作った「都合の良い便利な道具」だったことを見てきました。

そして、前回お伝えしたように、琉球四柱推命以外にも蔵干を(基本的に)使わない四柱推命の流派もあるようです。それが、安田靖氏による安田流(五行推命)です。

初代高木乗氏の流れを汲む安田流は、基本的に蔵干を通さず、地支そのものの五行で命式を読む流派です。四柱推命の中で、蔵干を外した命式の読み方を、確立してきました。

ちなみに、今回紹介する安田流の内容は、ネット上で確認できる情報をもとにしています。
安田流を学んだうえでの紹介ではないため、細かな点で正確でない部分があるかもしれません。
それでも、蔵干を使わない四柱推命を先に形にした流派として、知っていただきたいと考え、取り上げました。

蔵干ではなく、地支そのものの五行で命式を読む

四象十二支に通じる

一般的な四柱推命では、
寅を「戊・丙・甲」に、辰を「乙・癸・戊」に分けて読みます。

安田流は、この分解をしません。
地支そのものが持つ五行、いわゆる「正五行」を基準にして命式を読みます。
寅は寅のまま、木として扱うのです。

地支を十干の詰め合わせではなく、一つ五行として読む。
これは、第五章⑸で解説した琉球四柱推命の①「地支の中に天干を入れない」と同じ方向の考え方です。十二支を四方三支のまとまりとして捉える、四象十二支の見方にも通じています。

寅と卯は木、だが…

ここで一つ、気になる点があります。
地支を正五行で読むので、安田流でも寅も卯も「木」です。

しかし、寅と卯は同じ木のエネルギーなのでしょうか?

安田流が寅と卯のエネルギーに違いをつけていないのか、
それとも、ネット上の情報に記されていないだけなのかは、分かりません。

ただ、安田流は十二運星を採用しています。
そうであれば、答えははっきりしています。

日干「甲」から見た十二運では、
寅:建禄
卯:帝旺
と、二つの支に違いがついています。

同じ木でも、日干から見れば、『違いを示している』のです。
全く同じエネルギー(量・性質)であるはずがないということです。

日の出の光も、真昼の光も、同じ「太陽の光」です。
しかし、朝の光はやわらかく、これから強まっていく光。真昼の光は、一日のうちで最も強い光です。
同じ光でも、強さも性質も違います。

寅と卯も同じです。
第五章⑹で見た生・旺・墓の分類でいえば、寅は木の「生」、卯は木の「旺」。
寅は生まれ育っていく若い木の気、卯は最も盛んな木の気です。

「木」という同じ名前でまとめても、地支ごとの状態の違いまで消えるわけではありません。
蔵干を使わずに地支を読むなら、この状態の違いこそが、地支の中身を読む手がかりになります。

安田流がどのような考え方をするか少し気になりますね。

その他の「琉球四柱推命」との共通点

安田流には、地支の考え方(の一部)のほかにも琉球四柱推命と共通する点があります。

➀神殺・空亡を外す
神殺(干支の組み合わせによって「〇〇貴人」「〇〇殺」といった印を命式につけていく技法)や、空亡(六十干支の巡りの中で、十干と組にならない二つの地支を「空」とする考え方)を削ぎ落とし、五行の強弱と相生・相剋で判断を組み立てる。

②刑・破・害を重んじない
地支どうしの刑・破・害の関係を、判断の中心に置かない。

③一日の区切りは午前零時
子の刻が始まる23時で日を切り替える流派もあるが、午前零時で日を区切る。

そして、両者の根っこにあるのが、
「シンプルを旨とし、当たらないものは捨てる」
という姿勢です。

琉球四柱推命も、同じ姿勢をとっています。
刑・破・害を採用していないのも、鑑定の中で当たらないものとして捨てた結果です。

何よりも、「地支の蔵干を排除し五行でみる」考え方をすることによって、
リーディングはシンプルになり、その分、より深く読み込むことが出来るようになります。

安田流が示したもの

机上の理論ではなく、鑑定の積み重ねからたどり着いた形

「蔵干を使わないなんて、変わった少数派の流派でしょ?」

そう思う方もいるかもしれません。

しかし安田流は、理屈だけで蔵干を外したのではありません。
膨大な鑑定の積み重ねの末に、蔵干というフィルターに頼らない判断へとたどり着いた流派です。
実際の鑑定の中で、その選択を続けてきたのです。

断易は「四柱推命の外」の実例、安田流は「内側の実例」

第五章⑺では、断易が四柱推命より、およそ900年前から、蔵干なしで地支の五行の強弱を読んできたことを見ました。

ただ、断易は四柱推命とは別の占術です。
「四柱推命では話が違う」と感じる方もいるでしょう。

安田流は、その四柱推命の中で、蔵干を基本的に使わずに命式を組み立てています。
外にも内にも実例がある以上、【蔵干がなければ四柱推命は成り立たない】とは言いきれないでしょう。

琉球四柱推命との大きな違い

当然ですが、当派と安田流とは大きな違いがあります。
ここで紹介するのは両者の違いですが、違いの優劣を競う目的ではありません。

安田流は墓支を土とする配当

安田流の正五行では、辰・未・戌・丑は土です。
蔵干は不採用でしたが、墓支を土とする配当は保っています。

第五章⑶で見たように、蔵干の歪みは、
この四支の「本気に土が置かれていること」から生まれていました。
蔵干を採用しなければ、地支の中に土が割り込む余地はなくなります。
しかし、墓支が土として数えられる以上は、第五章⑵で見た土の偏りは残ります。

琉球四柱推命は「地支の土も外す」

琉球四柱推命は、蔵干を採用しないことに加えて、
辰・未・戌・丑を
木・火・金・水のそれぞれの属に戻しています。
(第五章⑷、第五章⑺のまとめ②)

一般的な四柱推命安田流琉球四柱推命
蔵干使う基本的に使わない使わない
辰・未・戌・丑土土木・火・金・水の属

まとめ

安田流は、地支を蔵干ではなく正五行で読み、
神殺・空亡を外して、五行の力関係で命式を判断します。

蔵干がなくても命式は読める。そのことを示した流派です。
ただし、一方で、辰・未・戌・丑を土として残しています。

蔵干に続いて、墓支の土まで外したところに、琉球四柱推命との違いがあります。

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